労働条件の明示ルールが変更されます。
労働安全衛生規則等改正により化学物質管理が強化されます。
障害者の法定雇用率が引き上げられます。
4月|建設業・自動車運転の業務・医師に対する時間外労働の上限規制が始まります
2019年4月、時間外労働の上限が労働基準法に規定されましたが、建設業・自動車運転者の業務・医師など一部の業種では上限規制が猶予されてきました。2024年3月末日に、猶予期間が終了となり、2024年4月からは次のように変更となります。
~ 残業時間の上限 (原則) ~
- 月45時間・年360時間(1年単位の変形労働時間制を適用の場合は月42時間・年320時間)
- 臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合(特別条項を締結する場合)
時間外労働は、年720時間以内
時間外労働と休日労働の合計は、月100時間未満 & 2~6ヵ月平均80時間以内
原則である月45時間(または42時間)を超えることができるのは、年6回まで
4月|労働条件の明示ルールが変更されます
労働条件明示のルールが、2024年4月から変わります。労使間の認識のズレ等によるトラブルを未然に防ぐ目的で、4項目が明示すべき項目として追加されます。
4月|労働安全衛生規則等改正により化学物質管理が強化されます
化学物質による労働災害を防止するため、労働安全衛生規則等の一部が2023年4月に改正されました。これに伴い、2024年4月より施行される項目の概要は次のとおりです。
- 労働安全衛生法に基づくラベル表示、安全データシート等による通知とリスクアセスメント実施 の義務対象物質に、国によるGHS分類で危険性・有害性が確認された全ての物質を順次追加する。
- リスクアセスメント対象物のうち、労働者に健康障害を生ずるおそれがない物質として厚生労働大臣が定める物質について、労働者がばく露される程度を濃度基準値以下としなければならない。 また、労働者のばく露の状況等について、記録保存しなければならない。
- 皮膚等障害化学物質等への直接接触を防止するため、それらを製造・取扱う業務に従事する労働者には、保護眼鏡、不浸透性の保護衣、保護手袋または履物等適切な保護具を使用させる。
- 衛生委員会の付議事項に労働者の化学物質ばく露に関する事項を追加し、化学物質の自律的な管理の実施状況の調査審議を行うことを義務付ける。
- 化学物質の管理が適切に行われていない疑いがあり、労働災害の発生またはそのおそれのある事業場については、労働基準監督署長が事業者に対し、改善指示することを可能とする。
- リスクアセスメントの結果に基づき、事業者はばく露低減措置等の一環として健康診断を実施し必要な措置を講じるとともに、記録保存しなければならない。
- リスクアセスメント対象物を製造、取扱、または譲渡提供をする事業場を対象に、化学物質管理者の選任を義務化する(業種・規模要件なし)。
- リスクアセスメントに基づく措置として労働者に保護具を使用させる事業場を対象に、保護具着用管理責任者の選任を義務化する。
- 雇入れ時教育の一部省略規定を廃止し、化学物質の安全衛生に関して必要な教育を義務化する。
- SDSの通知事項に「(譲渡提供時に)想定される用途及び当該用途における使用上の注意」を追加、 および成分含有量の記載方法を改める。
- 作業環境測定結果が第3管理区分の事業場に対する措置を強化する。
詳しくは、労働安全衛生法の新たな化学物質規制労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令等の概要 をご覧ください。
4月|障害者の法定雇用率が引き上げられます
2024年4月から障害者の法定雇用率が段階的に引き上げられます。現行、民間企業での障害者の法定雇用率は2.3%とされていますが、2024年4月より2.5%、2026年7月より2.7%に引き上げられます。
また、週所定労働時間が10時間以上20時間未満の精神障害者、重度身体障害者及び重度知的 障害者について、雇用率上、0.5カウントとして算定できるようになります。
2025年4月1日からは、除外率が各除外率設定業種ごとにそれぞれ10ポイント引き下げられます(現在除外率が10%以下の業種については、除外率制度の対象外となります)。
10月|社会保険の適用範囲が拡大されます
社会保険の適用範囲がさらに拡大されます。10月以降新たに対象となる企業は、厚生年金保険の適用対象者(フルタイムの従業員+週所定労働時間と月所定労働日数の両方がフルタイムの3/4以上である従業員)が50人を超える企業です。
その中で、下記のすべてに該当する方が、新たに被保険者となります。 配偶者の被扶養者のままでいるか、勤務先で社会保険の適用を受けるかの選択をすることはできず、勤務先で適用を受けて頂くことになります。
12月マイナンバーカードと健康保険証が一体化
マイナンバーカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」への移行について、 政府は、2024年12月2日からとする政令を閣議決定しました。