更新日:2026年3月23日
2026 年 4 月から、在職老齢年金の支給停止基準額が 大幅に引き上げられる こととなりました。
年金が減額され始める基準額が引き上げられるため、これまでより高い給与でも年金を満額受給できる人が増える見込みです。
在職老齢年金とは?

在職老齢年金とは、働きながら厚生年金を受け取る際、賃金と年金の合計額が基準を超えると、年金が支給停止となる仕組みです。
今回の改正では、この支給停止の基準額が次のとおり変更されます。
| 項目 | 2026 年 3 月まで | 2026 年 4 月以降 |
|---|---|---|
| 支給停止基準額 ( 月額 ) | 51 万円 | 65 万円 |
対象者:60 歳以上で厚生年金に加入して働く年金受給者
在職老齢年金の支給停止の仕組み
在職老齢年金は、「 基本月額 」と「 総報酬月額相当額 」の合計によって年金の支給額が決まります。
• 基本月額と総報酬月額相当額の合計が 65 万円以下
⇒ 年金は 全額支給
• 基本月額と総報酬月額相当額の合計が 65 万円を超える場合
⇒ ( 65 万円を超えた額 × 0.5 ) が年金の支給停止額
【 例 】
基本月額と総報酬月額相当額の合計が 75万円 の場合
( 75 万円 − 65 万円 )× 0.5 = 5 万円
この場合、厚生年金の受給額から 5 万円が差し引かれます 。
企業様へのご提案
① ベテラン層への「 再雇用契約 」の見直し
これまで年金カットを考慮して、低めの賃金設定や短時間勤務としていた再雇用制度を、改正後の基準額に合わせてアップデートしてはいかがでしょうか。
優秀な技術やノウハウを持つ人材の確保につながります。
② キャリア面談の実施
2026 年 4 月を待たずに、現在就業調整をしている従業員に対し、
「 今後、基準額が 65 万円までに引き上げられます 」とアナウンスすることも一つの方法です。
離職防止や労働時間の延長を促すことが可能になります。
③ 採用戦略の強化
「 年金を全額受け取りながら、月収 40 〜 50 万円で働ける職場 」
といった打ち出し方は、ハイクラスなシニア層を採用する際のアピールポイントの一つになるでしょう。
在職老齢年金は基準額が緩和される一方で、「 高年齢雇用継続給付 」の給付率縮小 ( 15 % → 10 % ) も同時に進んでいます。
企業としては、国の給付に依存した賃金設計から、実力に見合った給与体系へとシフトしていく時期に来ているといえるでしょう。
この機会に、就業規則や賃金規程の改定をご検討の際は、ぜひ当事務所までお気軽にご相談ください。